2022-06-14
インスペクションという言葉をご存じでしょうか。
インスペクションとは専門家による既存住宅調査のことで、スムーズな不動産売却を目指す際に検討したい方法の一つです。
そこで今回は、インスペクションとはどのようなものなのかについて解説するとともに、メリットや費用についてもご紹介します。
北九州市、遠賀郡、糟屋郡、下関市エリアで不動産売却をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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まずは、不動産売却におけるインスペクションとはどのようなものなのかについて解説します。
インスペクションとは、直訳すると「調査」「検査」という意味の言葉です。
不動産売却におけるインスペクションとは、専門家による既存住宅の状況調査のことを指します。
ハウスメーカーなどが独自で提供している「ホームインスペクション」や「住宅診断」といったサービス名で認識している方も多いのではないでしょうか。
ここでは、宅地建物取引業法によって規定された「インスペクション」について解説します。
インスペクションは、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士が、「既存住宅状況調査方法基準」に沿って実施する調査です。
国が定めた資格の「既存住宅状況調査技術者」を所持した建築士によっておこなわれるため、信頼度の高い調査結果が見込めます。
インスペクションでは主に、不動産の構造耐力上で主要とされる部分や、雨水の侵入に関係する部分の調査がおこなわれます。
具体的には、基礎や土台、柱、壁、床版、外壁、屋根、開口部などです。
これらの部位を調査することで、その不動産が住宅として本来有しているべき品質を保てているのかどうかを確認します。
ただし、調査は基本的に目視でおこなわれるため、売却を控えた不動産の状況を完璧に把握できるわけではないと考えておきましょう。
床や壁に関してはデジタル水平器なども使って傾きやゆがみがないか計測をおこないますが、より細かい調査を希望する場合は項目ごとに追加で費用がかかります。
インスペクションの調査対象となる不動産は、下記の条件に当てはまる既存住宅です。
人が住んだことのない未使用の不動産や、竣工から1年以内の不動産はインスペクションの対象外となります。
また、自宅の一部が店舗になっている不動産などの場合は、住宅として使用しているスペースのみインスペクションの対象です。
既存住宅の劣化状況や不具合について把握できるインスペクションは、中古不動産の売買において買主側の安心につながります。
現在の日本では空き家が増加傾向にあることから、政府としても既存住宅の流通強化を目的としたインスペクションの普及に力を入れているのです。
また、2020年の民法改正では「瑕疵担保責任」の内容が見直され、「契約不適合責任」へと生まれ変わりました。
契約不適合責任では、売買契約書に記載のなかった不具合などが不動産に見つかると、売主に損害賠償などの責任が問われます。
事前に売却不動産の不具合などを把握することは、売主にとっての安心にもつながるといえるでしょう。
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不動産売却時に検討したいインスペクションですが、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
まずは不動産売却時にインスペクションを実施するメリットについて解説します。
インスペクションのメリット1:トラブルのリスクを低くする
中古不動産の売買では、売却後に不具合が見つかってトラブルに発展するケースも珍しくありません。
売主としては売却前に細かく状況を確認したつもりでいても、床下のシロアリ被害や屋根裏の雨漏りなどが後日発覚することもあるからです。
さらに、前述したとおり、2020年からは契約不適合責任の施行によって売主が損害賠償を請求されるリスクが高まっています。
インスペクションによって正確に不具合などを把握することで、契約不適合責任に問われる可能性を低くするメリットが期待できます。
インスペクションのメリット2:スムーズな売却につながる
劣化や不具合の状況がわからない中古住宅を購入することは、買主にとって大きなリスクです。
インスペクションを実施することは、買主のリスクに対する不安を取り除くことにつながります。
また、インスペクションでは専門家による不動産の状況調査が実施されるため、その結果に裏付けられた説得力のある価格を付けることが可能です。
これらの理由から、インスペクションはスムーズに買主を見つけるための近道だということができるでしょう。
不動産売却においてメリットの多いインスペクションですが、デメリットといえる部分がないわけではありません。
インスペクションのデメリット1:時間がかかる場合がある
インスペクションの結果、それまで気付けなかった劣化や不具合が見つかることがあります。
その際の主な選択肢としては、「そのままの状態で売却する」、もしくは「修繕してから売却する」の2つになるでしょう。
修繕を選ぶ場合は、工事が完了するまでの時間がかかってしまいます。
修繕してからのほうが結果的に早く買主が見つかる可能性もあるため一概にはいえませんが、とにかく急いで売却を進めたいという方にとってはデメリットに感じられるかもしれません。
また、インスペクションによって人が住めない状態であることが判明した場合は、解体してからの売却を検討する必要があります。
なお、インスペクションの調査自体に必要な時間は2時間ほど、依頼から実施までにかかる期間はおよそ1週間ほどです。
インスペクションのデメリット2:費用がかかる
インスペクションを依頼するには、もちろん費用がかかります。
費用の相場や内訳については次項をご覧ください。
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インスペクションの費用相場は、5万円前後だといわれています。
しかし、依頼する業者や内容、そして地域によっても相場は異なると考えておきましょう。
また、インスペクションで見つかった不具合を修繕する場合は、その費用が別途必要です。
インスペクションに必要な費用の目安としては5万円前後ですが、戸建ての場合は面積によって価格が1~2万円ほど変動するケースもあります。
また、基本的な目視や測量機による調査だけでなく、より細かい調査を依頼した場合には追加料金が必要です。
たとえば、床下や天井裏に入り込んでのオプション調査には、それぞれ1万5千円から3万5千円ほどの追加料金がかかります。
また特殊な機材などを用いる調査を依頼した場合には、10万円以上の費用がかかるケースもあると理解しておきましょう。
インスペクション費用の内訳としては、調査を実施する既存住宅状況調査技術者に支払う人件費や、調査結果報告書の作成費、機材の利用費などです。
出張費用として、交通費や駐車場代が必要になる場合もあります。
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インスペクションはアメリカではすでに当たり前といわれるほど普及しており、日本国内でも注目度が高まっています。
北九州市(小倉南区、八幡西区、小倉北区、若松区、戸畑区、門司区)、遠賀郡(芦屋町、遠賀町、水巻町、岡垣町)、糟屋郡(須恵町、志免町、新宮町、篠栗町、宇美町、粕屋町)、下関市で不動産売却を検討されている方は、インスペクションについても「いいね不動産」までお気軽にご相談ください。